とんかつと私と時々から揚げ【悲報あり】

お店

ある日、無性にとんかつが食べたくなった。こういう衝動は抑えてはいけない。なぜなら、食の欲求を満たすことこそが日々の活力になるからだ。そんなわけで、久しぶりに「とんから亭」へ向かうことにした。

とんから亭

おひとり様なので、カウンター席に座る。こういうときの流れはスムーズだ。サッと席につき、タブレットを操作する。最近はどこもタブレット注文が増えているので、面倒くさがりの私にとってはありがたい。

さっそくメニューをチェック。あれ? カレー食べ放題が無料じゃなくなっている。昔は無料で食べられた気がするんだけどなあ。とはいえ、今日はカレーの気分じゃないので問題なし。それよりも、私の心は「とん」と「から」の組み合わせにロックオンしていた。よし、ロースかつにから揚げがついた「とんから定食A」にしよう。そして、とん汁変更も忘れずにポチッと。

「くっくっくっ…楽しみだ。その者、金色の衣まといてキャベツの野に降り立つ!」

脳内で盛大に召喚の儀式を執り行いながら待つこと数分、ついに私のもとに「とんから定食A(とん汁変更)」が降臨した。さあ、見せてもらおうか、とんかつとから揚げの二刀流、その実力を!

まずはとんかつ。衣はサクサク、肉はジューシー。うむ、間違いない。そこにソースをたっぷりとかけ、さらにからしを添える。完璧な布陣だ。これぞ王道のとんかつ道。

だが、次の瞬間、異変に気づく。

……ん?

……あれ?

……から揚げがいない。

なんてことだ……なんてことだ……!

私は完全に「とん」に心を奪われ、「から」の存在を忘れていた。まさか、まさかそんなことが……!

「店員さーん! から揚げが、から揚げがないですうううう!」

もちろん、店員さんはすぐに対応してくれた。どうやらミスで入れ忘れてしまったらしい。こういうことは誰にでもある。大事なのは、美味しく食べることだ。

無事に届けられたから揚げを一口。うむ、カリッとジューシーで最高。これぞ、「とん」と「から」の黄金コンビだ! とんかつの後に食べるから揚げは、また違った味わいがあり、一度に二度美味しいとはまさにこのこと。

気がつけば、皿の上はきれいに空になっていた。

ごちそうさまでした。

次回こそ、最初から「とん」と「から」を同時に愛でることを誓う。

コメント